自己観察
観察するなら、
他人より自分の方が断然おもしろい。
他人を観察しても、
自分はそうならないだろうと
本当の自分を歪めてしまう。
自分を観察すると、
自分はこういうところがあると、
未知の自分を発見できる。
思っていたより冷静な自分がいて、
驚いたり自信を持ったり。
これまでになく焦っている自分がいて、
戸惑ったり奮い立ったり。
思いがけず衝動的な自分がいて、
困ったりワクワクしたり。
自分を観察すると、
謙虚な気持ちがよみがえってくる。
<今日のヒント>
良くも悪くも今の自分を受け止める
伝える or 伝わる
声や文字で言葉を伝えてみても、
どう伝わるかは予測がつかない。
大いに迷って口にした言葉でも、
ときには相手を傷つける。
そんなつもりじゃなかったと、
そう思いながら自分も傷ついている。
軽い気持ちで口にした言葉でも、
ときには相手を慰める。
そんなつもりじゃなかったと、
そう言いながら自分もうれしくなる。
伝える言葉は自分の体験の中にあるものだから、
相手に伝わるとは限らない。
伝わる言葉は相手の体験の中にあるものだから、
それに気持ちを寄せれば見えてくる。
<今日のヒント>
言葉が伝わるかどうかは体験が左右している
言葉の色
気持ちが言葉になるとき、
それはわずかに色味を帯びている。
自分勝手な言葉は白。
誰かを思いやる言葉は緑。
自分を守る言葉は水色。
誰かを突き放す言葉は黄色。
自分を責める言葉は赤。
誰かを頼る言葉は黒。
気持ちが揺れると色味は濁り、
心が行き先を見失う。
気持ちが変わると色味は薄まり、
心が新たな行き先を求め始める。
目には見えないけれど、
心の葛藤が言葉に色をまとわせる。
<今日のヒント>
無意識の感覚が言葉に色を付ける
気分の波
気分には波があるから、
日々の過ごし方はまちまちになる。
気分には波があるから、
日々の時間割りはいろいろになる。
楽しいとかつまらないとか、
満足とか不満とか、
ゆっくりとか慌ただしいとか、
充実しているとか無為だとか。
評価は後にしか見えてこないのだから、
自分だけがそっと受け止めればいい。
気分の波は自分独自のリズムだから、
自分だけが静かに乗っていればいい。
<今日のヒント>
気分の波は自分だけでやり過ごす
高揚と焦燥
思い焦がれている間は、
他が見えず聞こえない。
思いが叶ってしまうと、
他が見えて聞こえてくる。
あれほど手に入れたかったものが、
たちまち色あせるのはむなしい。
あれほど特別に感じていたものが、
たちまち普通になるのは寂しい。
そうやって、
いくつもの心ときめく時間を迎え、
いくつもの空虚な時間をやり過ごす。
そうやって、
いくつもの輝かしい体験を糧にして、
いくつもの憂鬱な体験を乗り越える。
<今日のヒント>
何気ない日常に高揚と焦燥が彩りを添える
問いの方向
子どもの「なぜ?」は外に向けられ、
現実世界の扉を次々と開ける。
子どもが見ようとするその世界は広く、
興味をひくことばかり。
子どもにとってその世界は新しく、
精一杯手を伸ばそうとする。
大人の「なぜ?」は内に向けられ、
精神世界の扉を次々と開ける。
大人が見ようとするその世界は深く、
不安になることばかり。
大人にとってその世界は馴染み深く、
精一杯折り合いをつけようとする。
子どもがいつか大人になったとき、
現実世界の居場所の土台は、
知の積み重ねであることに気づく。
大人がいつか来し方を振り返るとき、
精神世界の自由の土台は、
心の柔らかさであることに気づく。
<今日のヒント>
誰もが問いとともに生きている
思い込み
思うまではいいけれど、
思い込むと不自由が生じる。
他人の言っていることが、
耳に入ってこなくなる。
他人の書いているものが、
目に入ってこなくなる。
他人の考えや思いが、
頭に入ってこなくなる。
思い込みは何もかもを撥ね返すけれど、
大事にしたい他人を見つけたとき、
何もかもを受け止められるようになる。
思い込みは硬い殻で守られているけれど、
幸せにしたい他人を見つけたとき、
それを破って手を携えられるようになる。
<今日のヒント>
思いやりは思い込みを踏み越える